イントロダクション
INTRODUCTION
台湾の歴史に消えた若き詩人たちを描く、傑作ドキュメンタリー
新たな日本語字幕と共に、公開10周年を前に待望のリバイバル上映!
 1895年から1945年まで日本統治下におかれていた台湾。1930年代に台南のエリート青年たちによってシュルレアリスム詩人団体「風車詩社」が結成された。彼らは留学先の日本で西洋前衛文化の洗礼を受け、日本語を用いて台湾独自の新しい文学を創造しようと志した。だが活動はわずか1年半で終了。戦後の苛烈な思想弾圧「白色テロ」でメンバーが死刑となる過酷な運命をたどり、その存在は長らく歴史に埋もれることとなった。  
 彼らの軌跡を蘇らせたのが、黄亜歴(ホアン・ヤーリー)監督の映画『日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち』(2015年)である。貴重な資料や詩の朗読に前衛的な再現映像を交錯させ、第53回金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。本作は2017年の日本初公開から来年で10周年を迎える。黄監督がゲストキュレーターを務める企画展「共時的星叢──時を共にした星たち 越境する芸術のまなざし」が東京都現代美術館で開催中であることを受け、急遽リバイバル上映が決定した。なお、今回は新たに日本語字幕を制作しての上映となる。
監督
DIRECTOR
監督:黄亜歴
HUANG Ya-li ホアン・ヤーリー
キュレーター、映画監督。映画とキュレーションを横断する実践を軸に、歴史的な作品、資料と現代の感覚との対話を創出し、アジア近現代史における「忘れ去られた」文化的接点の再発見と再構築に取り組む。2015年の監督作『日曜日式散歩者(Le Moulin)』は台湾のアカデミー賞といわれる金馬奨で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。また、東アジア前衛運動の研究をもとに、展覧会「共時的星叢 : 〈風車詩社〉與跨界域藝術時代」(2019年、国立台湾美術館)を企画し、関連書籍でも高い評価を受ける。
劇場情報
THEATER
2026年10月10日(土)- 10月15日(木) 
2026年11月17日(土)-  

展覧会
EXHIBITION
2026年9月5日(土)- 12月13日(日) 東京都現代美術館
   本作を起点に、近代の台湾と日本を多様な文化芸術をとおして見つめ直す「共時的星叢―時を共にした星たち 越境する芸術のまなざし」展が、現在東京都現代美術館にて開催中です。キュレーションを本作監督の黄亜歴(ホアン・ヤーリー)が務め、金島隆弘さん(共同キュレーター/金沢美術工芸大学准教授)、鳥越麻由さん(東京都現代美術館学芸員)、空間設計は台湾の建築家・UxUスタジオなど、日本と台湾の多くのスタッフが幾度もの濃密な対話を重ねて結実しました。本展は、近代台湾の美術作品約200点、資料約500点に日本の作品約100点に加え、新聞記事や表彰状などパーソナルな資料を並列することで、確かにそこに自分と同じ感情を持つ人間がいたことをリアルに想像することができます。美術や文学、映画、音楽、演劇、舞踏——創造の垣根を越えて風車詩社の根底にある思想や、その豊かな表現の世界を、展示空間の中で体感出来ます。ぜひ、映画とともに合わせてお楽しみください。